「Ⅱ.血圧測定編」は、シナリオにアクション機能を追加しながら、各アクションや変数の使い方を理解することを目的としています。
STEP1:チャットボットをつくる
「Ⅰ.問診受付編」で作成した病院ボットを使用するため、今回はチャットボットの作成は不要です。
「Ⅰ.問診受付編」のチャットボット作成については、【チャットボット作成(Ⅰ.問診受付編) - STEP1:チャットボットをつくる】をご覧ください。
STEP2:シナリオをつくる
Ⅰ.問診受付編で作成した病院ボットに、血圧測定用のシナリオを追加しましょう。
シナリオ作成については、以下の手順ごとに説明をしています。
手順1 シナリオ名入力
手順2 ユーザー発言例入力
手順3 シナリオの流れ作成
手順4 チャットボットの学習
手順1 シナリオ名入力
はじめに、シナリオ新規作成画面を開き、シナリオ名を設定します。
手順(シナリオ名入力)
- 左メニューの『チャットボット一覧』を選択し、”病院ボット“をクリックしてください。
- 『シナリオ一覧』タブから”新規作成“ボタンをクリックしてください。
- 『シナリオ名』に「血圧測定」と入力してください。
手順2 ユーザー発言例入力
次に、ユーザー発言から血圧測定シナリオを呼び出すための発言例を設定します。
チャットボットは、この発言例を学習することでユーザーからの発言に対し、正しく反応(シナリオを選択)することができるようになります。
手順(ユーザー発言例入力)
- 『ユーザー発言』の『発言例』タブにある入力欄に、血圧測定に関して想定される発言例を、様々な単語や言い回しで4パターンを目安に入力してください。
入力欄は1行入力するごとに自動的に行が追加されます。
[入力例]
項目名 入力値 発言例 血圧を測定したい 血圧測定の結果を知りたい 血圧チェックをしたい 高血圧か判断したい
手順3 シナリオの流れ作成
次に、メインのシナリオ作成です。
シナリオ構成は、今回のテーマである血圧測定に沿った以下の内容としています。
[シナリオ構成]
① ボット :血圧測定に関する情報入力をお願いする
② ユーザー:最低血圧・最高血圧を入力する
③ ユーザー:性別を入力する
④ ボット :判定結果をお知らせする
それでは、各構成①~④の設定を順に行っていきましょう。
ユーザーに最低血圧・最高血圧の入力をお願いするために、『テキスト発言』アクションを追加しましょう。
手順(シナリオの流れ作成 - ①ボット:血圧測定に関する情報入力をお願いする)
- 『シナリオの流れ』エリア内のリストから「テキスト発言」を選択し、”アクションを追加“ボタンをクリックしてください。
- 『発言内容』に以下の例を参考に、チャットボットに発言させたいメッセージを入力してください。
[入力例]
項目名 入力値 発言内容 血圧測定を行います。
測定前にいくつか質問させていただきます! - チャットボットは『テキスト発言』アクションで設定された内容を発言します。
※保存・学習後にシミュレーター画面での確認が可能となります。
[参考:チャットでの見え方]
ユーザーに最低血圧・最高血圧を入力してもらうために、『ヒアリング』アクションを追加しましょう。
手順(シナリオの流れ作成 - ②ユーザー:最低血圧・最高血圧を入力する)
- 「手順(シナリオの流れ作成①)」で設定した『テキスト発言』アクションの下にあるリストから「ヒアリング」を選択し、”アクションを追加“ボタンをクリックしてください。
- 以下の例を参考に、ヒアリング各項目を入力してください。
ヒアリングしたい内容(数値、日付、時間など)により、設定するタイプが変わります。各タイプの詳細については、【ヒアリング形式でユーザーから情報を収集したい】をご覧ください。
今回は、血圧=数値を入力してもらうため、タイプに「英数記号@number」を選択しています。
[入力例]
No ヒアリング項目名 タイプ ユーザーへの質問文 1. 最低血圧 英数記号 @number 今日の最低血圧はどれぐらいでしたか? 2. 最高血圧 英数記号 @number 今日の最高血圧はどれぐらいでしたか? - 『ヒアリング結果のユーザー確認タイミング』から「全項目をまとめて確認」を選択してください。
ヒアリング後の確認タイミングを変更できます。設定できるタイミングの詳細については、【ヒアリング形式でユーザーから情報を収集したい】をご覧ください。 - 設定した「最低血圧」「最高血圧」が、画面右の『変数一覧』に変数として追加されたことに注目してください。
変数については、後述「④ボット:判定結果をお知らせする」で説明します。 - チャットボットは『ヒアリング』アクションで設定された内容を、それぞれ質問します。
※保存・学習後にシミュレーター画面での確認が可能となります。
[参考:チャットでの見え方]
ユーザーの性別を確認するために、『選択肢確認』アクションを追加しましょう。
手順(シナリオの流れ作成 - ③ユーザー:性別を入力する)
- 「手順(シナリオの流れ作成②)」で設定した『ヒアリング』アクションの下にあるリストから「選択肢確認」を選択し、”アクションを追加“ボタンをクリックしてください。
- 『タイトル』に「性別」と入力してください。
- 『質問内容』に「性別を選択してください。」と入力してください。
- 以下の例を参考に、選択肢各項目を入力してください。
『値』については、今回は空白のままで問題ありません。
ユーザーに見えない内部での値を使用したい場合、『値』を設定します。詳細については、【ユーザーへ選択肢を表示する】をご覧ください。
[入力例]
表示名 値 男性 (空白) 女性 (空白) - ヒアリング項目設定時と同様に、設定した「性別」が、画面右の『変数一覧』に変数として追加されています。
- チャットボットは『選択肢確認』アクションで設定された内容を質問し、選択肢を提示します。
※ 保存・学習後にシミュレーター画面での確認が可能となります。
[参考:チャットでの見え方]
ユーザーが入力した情報を元に、判定結果をお知らせするために、『テキスト発言』アクションを追加しましょう。
手順(シナリオの流れ作成 - ④ボット:判定結果をお知らせする)
- 「手順(シナリオの流れ作成③)」で設定した『選択肢確認』アクションの下にあるリストから「テキスト発言」を選択し、”アクションを追加“ボタンをクリックしてください。
- 『発言内容』に以下の例を参考に、チャットボットに発言させたいメッセージを入力してください。
[入力例]
項目名 入力値 発言内容 性別:{{性別}}
最低血圧:{{最低血圧}}
最高血圧:{{最高血圧}}
血圧測定結果
---------------------
血圧は正常域です。
現在の生活習慣を維持してください。
画面右の『変数一覧』にある変数を{{}}で囲って記述することで、ユーザーとのやり取りの中で取得した値を引用することができます。
引用の詳細については、【ユーザーが入力した(選択した)内容を引用してチャットボットに喋らせる】をご覧ください。 - チャットボットは『テキスト発言』アクションで設定された、引用を含む内容を発言します。
※ 保存・学習後にシミュレーター画面での確認が可能となります。
[参考:チャットでの見え方] - 今回チュートリアルで説明した設定以外に、実行条件を利用することで、入力された値により発言するメッセージを変えることもできます。
例:最高血圧が139未満、最低血圧が89未満の場合は、正常域であることを知らせるメッセージ
例:最高血圧が140以上、最低血圧が90以上の場合は、高血圧域であることを知らせるメッセージ
実行条件の詳細については、【アクションに実行条件を付けてシナリオを条件分岐させる】をご覧ください。
手順4 チャットボットの学習
シナリオ作成まで終わりましたら、設定内容を保存し、学習します。
学習を行うことで、チャットボットに設定内容を反映することができます。
手順(チャットボットの学習)
- “保存“ボタンをクリックしてください。
- 「保存が完了しました。」というメッセージが表示され、設定内容が保存されます。
- 「学習データが更新されています。反映するには学習ボタンを押してください。」というメッセージが表示されますので、”保存してチャットボットを学習“ボタンをクリックしてください。
- 「現在学習処理中です。しばらくお待ちください。」というメッセージが表示されますので、そのまましばらくお待ちください。
- 学習処理が完了すると、「学習処理が完了しました。」というメッセージが表示されます。
STEP3:チャットボットとしゃべる
作成したチャットボットと実際に対話を行い、動作を確認しましょう。
Ⅰ.問診受付編同様、アプリケーションへの公開は行わず、シミュレーター機能で対話を行います。
「STEP4:チャットボットを公開する」に関する手順については、【アプリケーション公開】をご覧ください。
手順
- 画面右端にある”シミュレーター“をクリックし、シミュレーター画面を表示してください。
- “チャット“タブをクリックし、チャットウィンドウを表示してください。
- 入力欄に『ユーザー発言例』の内容を入力し、”送信“ボタンをクリックしてください。
- 血圧測定シナリオが呼び出され、血圧測定に必要となる質問のやりとりが行われます。
設定した各アクションが、想定通りに動作しているかを確認してください。